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新潟・燕三条の冷めない背脂ラーメンには地域密着の秘密があった

2017-10-30

新潟県の燕市・三条市のご当地ラーメンと言えば、2大巨頭の「カレーラーメン」と「燕三条ラーメン」「魚介出汁の背脂たっぷり)があるわけだけれども、燕三条ラーメンの有名店「潤」の本店に行く機会を得た。以前にこんな記事を書いているくらい東京で潤に憧れていたし、こんな記事を書くくらい燕三条ラーメンは大好きなんだけれども。本店で食べたラーメンがいつまで経ってもアツアツなラーメンぶりに驚いたわけですよ。そこには寒い地域ならでは&燕市ならではの工夫があったのにビックリさせられました。

寒い地域のラーメンは脂の層が厚いものが多い

そもそもの冷めない理由の一つは、脂の層なんです。あ、この写真は「鬼脂」っていって、背脂を極限まで多くしてもらってるものです。なので参考だけれども参考外ね。

千葉の漁師料理系地元ラーメンに「勝浦タンタンメン」ってのがありますが、これはラー油の層ができているんですよね。油の層はスープの熱を逃さないので、ラーメンが出てきても湯気はあまり立たず、箸を入れて麺をリフトしたときに初めて湯気がぱぁぁぁぁぁっと出てくるんです。

つまり、脂がスープの熱を逃さないってわけね。

新潟・燕三条の冷めない背脂ラーメンには地域密着の秘密があった

燕三条ラーメンも同様で、背脂の層がしっかりあって、そこへ箸を突っ込んで麺を出すと、脂の内側にこもっていた熱の湯毛がふぁわわわわわわっと出てくる。

コレのおかげであまり冷めることなく麺をいただくことができるって寸法なんですね

冷めない二つ目の理由。燕市ならではの工夫にびっくり!


この日は燕市の観光協会の理事の方に連れて行って頂いたんですけれどね。東京ではさんざ食べた「ラーメン潤」の本店ですからね。聖地巡礼ですよ。嬉しくてしょうがない。ちなみに本店は単なるラーメン屋じゃなくて、回鍋肉とかも食べられる中華店の装い。夜はお酒も楽しめるしデザートまである。

で、注文するときに驚いた。その理事の方が

「奥野くん、メタル丼で頼みなよ!」

そうおっしゃるの。

なにそれ、経験値がたくさん入る丼?

なんて聞きそうになるくらいはドラクエ脳なんだけれども、ここは地元の方のおすすめどおりに「メタル丼」で注文。

聞けば、丼が普通のラーメンとまったく異なるそうな。

着丼してもわからず

丼が来ました。下のお皿が銀皿で、これがメタルなのか?とも思ったけれども実際はさにあらず。
この赤い器に秘密があったんですね。

「鬼脂」に慣れていなければ、丼の前にこの油にビックリするとは思うけれどもね。

ところで、ですよ。

燕市の主要産業、なんだかご存知ですか?食器などに使う金属の金型から、板金から、加工から、研磨ですよ。金属なんでも来いなの。

生活のクオリティ好きな人だったら、THERMOSの水筒なんか好きじゃないですか?熱いものは冷めず、冷たいものはぬるくならない。あの水筒です。
そのTHERMOS、品質管理の機能は新潟・燕市の事業所にあったりする。

そのTHERMOSの内側部分みたいに冷めにくい構造になっているのが、ラーメン潤のメタル丼なんですって。
上面は脂で蓋をして、側面と底面はメタル丼によって保温がされてるって。ナニソレあっつあつ間違い無しじゃないですか。


※画像は燕三条市内各所で配布されている「燕三条ラーメン王国 お遍路MAP」より。

指で弾いてみたら、やっぱり金属感がありました。
そして断熱に優れているので、丼が全然熱くありません。

丼が熱くないアッツアツのラーメン、いいですよ。

止まらない湯気、冷めないスープ

結局の所、ラーメンは最後までアッツアツのものを食べられました。ラーメンの写真を撮ったり話したりしていると時間も経って冷めたりしがちですけれど、そういうのがまったくないんですよね。

燕三条のどこのラーメン屋さんに置いてあるのかは分かりませんが、燕三条のラーメン屋さんに入ったら、注文時に「メタル丼ある?」って聞いてみるといいかもしれませんね。

メタル丼は市販されています。冷めないラーメンを作ったり食べたりしたい方は、購入してみると良いとおもいますよ。本当に冷め方が違うので!

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