岐阜の中津川市へ出張した際、近くの瑞浪に前日入りしました。そこで瑞浪名物のあんかけかつどんを食べたのですが、これが大ヒットでして。他にもきっと美味しいものが!と思い近くの店を探していたのですが、「般若」さんで頂いた日本酒がめっぽう美味しかったんですよ。日本酒好きが瑞浪を訪れたら般若さんには行くべき!と思ったその理由は……。
瑞浪駅前の「般若」さん
般若さんは鉄板焼き屋さん。ちょっとコワモテだけど人の良いご主人が営業しています。訪問したのは日曜日の夜でしたが元気に営業されていました。
もっきり
「もっきり」という日本酒の飲み方があります。日本酒を飲むのに使う升の中にグラスを置き、そのグラスに日本酒を注ぎます。注ぐ際、グラスからお酒があふれるのを気にしないのがもっきりの素敵なところで、あふれた分は升にたまっていくんですね。
で、だいたいは中のグラスの酒を飲んで、グラスの酒が減ってきたら、升の酒をグラスに補充して飲む、といった流れで楽しみます。
そもそも升は物の量を計るための器具だったのですが、これを飲酒のために使っているのが面白いところ。そして、計る際の用語「盛り切り(もりきり)」が変化して「もっきり」になった様です。
升の香りが良すぎて
で、般若さんで注文した岐阜の地酒・百十郎がこちらです。
もっきりのスタイルをとっているんですが、升をよく見てください。
「木曾ひのき」って書いてあるんですよ。
木曽は岐阜ではなく長野県ではありますが、東京から岐阜を通って関ケ原に向かう中山道が通っている土地で、瑞浪とは街道続きなわけなんですね。
で、この木曽ひのきの升が実に香りがいいんです。香りがいいだけでなく、升に入っていた酒を飲んでみると、ひのきのいい香りが酒に乗っかってくるんですよね。これがべらぼうにおいしかったんですよね。
で、思わず頼んでしまった2杯目の鯨波(くじらなみ。最初「げいは」って言って店員さんに???な顔されました)を飲む際に、飲み方を変えました。
どう変えたかというと、
升の酒を飲んで、升が空いたらグラスから升に酒を移す
というもの。これをすることで、ひのきの香りがほのかに漂うお酒をずっと楽しめるわけですよ。
そもそももっきりの升って、塗り物であることが多いんです。
こういう感じのね。
多分、手入れも簡単だし、余計な香りが移らないことがメリットということもあるんだと思います。
けれど、般若さんで飲んだ日本酒は、きちんとひのきの香りを生かして楽しませてくれました。衝撃でしたね。
ご店主に香りのよさを伝えたところ、この升は探し回って仕入れたんですって。そりゃそうだわ。
岐阜の旅を終えて以降、どこか出かけるたびに木の升があるかどうか探して、香りを確かめる癖がついちゃいました。よかったら自宅用に買って帰ろうと思って。
料理もおいしい般若
般若さんは鉄板焼きの店で、カウンター席には鉄板があります。調理していただいたものを冷めないようにしてくれる心遣いがとてもよし。
ホルモン焼きをお願いしたんですが、お皿が置かれているのは鉄板の上です。ひのきの香りが移るほどじっくり酒を飲んでいても、ホルモン焼きは冷めることなく僕の目と鼻と舌を愉しませ続けていました。
ポテサラも立派な料理になっていました。
ガツもネギとの相性が抜群で、一口一口がとても楽しい。
瑞浪でお酒を愉しむならおすすめできる一店です。ぜひ立ち寄ってみてください!
店名 | 般若 |
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住所 | 岐阜県瑞浪市寺河戸町1193-17 |
URL | インスタグラム |
交通手段 | JR中央本線 瑞浪駅から徒歩2分 |
営業時間 | 15:00~22:00 |
定休日 | 火曜日・水曜日 |