板前さんがいる。カウンターがある。一人酒が楽しめる。酒好きがフラッと飲みに行くなら、こうした条件をまず頭に思い浮かべるのではないでしょうか。
大衆居酒屋チェーンと括られている「庄や」ですが、実はそれぞれの店舗に板前さんがいて、料理を現場で作って提供してくれます。セントラルキッチンで調理する今時のチェーン店とは違い、お店ごとの料理を楽しむことができるんですよね。
そんな庄やの新店舗が田町に2023年12月14日オープン。オープンレセプションが前日の13日に行なわれ、そこにご招待いただきました。
## 庄や 田町店
オープンしたのは庄や 田町店です。田町駅を出て国道を渡り、慶応仲通り商店街に入ると、程なくして右手に見えてきます。
ビルの透明な自動ドアの向こうに、こんな入り口が現れます。「庄や」の白い看板を目標に入店しましょう。
## 定番からオススメまで、料理とお酒をいただく
庄やは大衆店だけに、居酒屋の定番メニューがたくさんあります。ただし、統括する大庄グループの流通力を活用し、魚介が強い印象がありますね。
▼まず、お通しが白子でビックリしました。普通、お通しっておひたしっぽいのとかでるじゃないですか。
白子が出るなら一杯目から日本酒にいくべきだったぜ!などと考えてみたり。
柔らかくて、箸でリフトするのも繊細なタッチが必要。泥酔したらできません。
▼日替わりのオススメ鮮魚があるのですが、ちょっといいなと思ったのが調理師の名前が記されている点。
今日の魚を責任持って勧めてくれる人がいるのは心強い。なお、こうしたオススメが刺し盛りに入ってくる可能性もあるので、注文時に確認しましょう。
▼これは「本日のおすすめ」のマグロが含まれた刺身8種盛り。1人前1,200円です。
お刺身もさることながら、食材の間に挟まっている柑橘や大葉、海藻、しその実、つま(だいこん)など、手が込んでいるのがわかりますよね。
▼低温調理された鶏レバーが堪能できる「トロレバー刺し」390円
ふわふわトロトロの鶏レバーを塩でさっぱりと頂きました。
▼昭和46年の創業期から変わらない煮込みは350円。
令和の時代の新店舗とは思えない、昭和レトロ感ある器で、僕と同級生の煮込みが出てきました。味噌ベースで煮込まれた野菜もモツも柔らかく、ビールが進みます。
▼焼きとり5本盛りは700円。
もも・つくね・なんこつ・皮・砂肝あたりが入ってくるようです。店員さんのオススメでお願いしたら塩で出てきましたよ。
▼居酒屋にいったら必ずチェックしたいメニューのポテトサラダ290円
塩もみされたきゅうりや細長く切られたにんじん・たまねぎはていねいな造りを感じさせます。スタンダードなスタイルだけれど、きちんと作られていて好印象。価格もいいよね。
▼ちょっとビックリした「本日のなめろう」550円
生の魚介を味噌やショウガ・大葉で叩いて作る漁師料理のなめろうですが、メジャーなのはアジを使ったもの。これが「本日の」となると、何度も通う理由ができてしまいますね。この日はスズキでした。スズキはあっさりとした白身だけれど、しっかり叩いてもっちり感を出し、日本酒が進まざるを得ません。
▼ふぐの唐揚げ(680円)とあんこうの唐揚げ(680円)
(ふぐ)
こうした唐揚げも、注文してから揚げてくれるんですよ。できたての熱々をいただきながらビールを流し込んだら、すなわちこれ天国。
なめろうやポテサラは熱々でなくても良い食べ物なので、これらを一気に注文してまったりと食べながら、熱いモノは到着即口にする勢いで別途注文するのが吉ですね。
▼茹でたて豚しゃぶサラダ680円
豚しっかり、野菜たっぷり。居酒屋に来ると野菜を摂れないケースは、まあまああります。ポテサラとともにコレを頼んでおくと健康面も安心です。
▼出汁巻き玉子550円も板前さんによる手焼きの逸品です。
この日はちょっと無理言って、甘い出汁巻き玉子と甘くない出汁巻き玉子を一つずつお願いしちゃいました。写真がどちらかはお酒のせいで覚えていません!
▼焼きそば680円は屋台ソース味。
もう、昔ながらの、です。お祭りとか競馬場とか、そういうところで食べられそうなルックス。ですけれど具材たっぷりで食べでがありますね。ソース味もしっかりついていて、お酒との相性バツグンです。
▼あおさ汁200円
宴も終盤になって、身体に優しいものが欲しくなりました。あおさ汁は普通の味噌汁の椀の倍以上ありそうなサイズで登場。海藻の香りおいしく、いろいろ食べたあとでもするっと入ってしまいましたよ。
そのほかいろいろいただきました。おなかいっぱいですよ。
日本酒が充実していること、生ビールが2種類あることを始め、好きな人が眺めると楽しいメニュー構成になっていると思います。
日本酒の1合は、体感1.5合くらいあったんじゃないかというくらいたっぷりでした。お得。
## ブリの解体ショーにビックリした
食事中に場内アナウンスが。
「まもなく、ブリの解体ショーが始まります!」
とのことです。この日さばかれるブリは能登産のものだそうです。
能登のブリといえば、11月~2月に獲れる7Kg以上のものは
と呼ばれるブランドブリ。いやー、そんな良いものの捌きたてを頂けるとは。こういうサービスは一般の大衆チェーンではお目にかかれませんよ。だいたい、港に近い観光エリアでやることですもん。
それはもう見事な手さばきでしたよ。捌いた斉藤さんは大庄グループで働いて28年。最初は未経験だったそうなのですが、こうして見事におおきな魚を捌いてくださいました。
このブリがしばらくして
▼新鮮さ、脂の乗り、歯触り、すべてにおいてSSRブリでした。
## 庄やの新規店舗は8年ぶり
系列店からの業態切り替えなどではなく、純粋に新しく庄やの店舗がオープンしたのは8年ぶりだそうです。
近頃の飲食店はタッチパネルで注文をし、セントラルキッチンで作られた料理の配膳はロボットが行なう効率化が進んでいます。時代に適応した飲食店の変化なのだとは思いますが、庄やはその流れには乗りません。
規模の大きさを活かして食材やお酒を上手に確保しつつ、個々の料理はそれぞれの店舗にいる職人によって作られる。大型店・大衆店でありながらその安心感を享受できるのは庄やならではと言えるかもしれません。
「いらっしゃいませ!」「喜んで!」「ありがとうございました!」
元気な声の聞ける庄や、いいですね。
### 庄や 田町店 店舗情報
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