関ケ原の出張に行ったさい、せっかくなので岐阜で一泊して帰郷することにしました。初めて訪問した県だったので、取材ではないところで、自分の足と感覚で街を歩きたいですもん。でもってうまいものも食べたいわけです。
この日は取材の関係で朝に出立したのが朝の6時台。疲れもあったし眠くなるのも確実だと思ったので、夜のお酒は2軒めのハシゴは考えずに、1軒でしっかり堪能することに決めました。
フラフラ歩いていて目を引いたのが、名鉄岐阜駅近くにある「居酒屋 けい(蛍)」さん。自分の勘を信じて行ってみたら、少なくとも僕のような旅行者には最適な、郷土料理を堪能しまくれるお店でした。
メニューを開くと、そこは岐阜だった
入店してメニューを開いたとき、嬉しくなっちゃいましたよ。岐阜の郷土料理がたくさんあるんです。
岐阜の郷土料理としてページが割かれている中で「飛騨高山」「郡上八幡」「中津川」と3つにエリアが分かれています。僕のような岐阜を知らない者ですらわかる
- 郡上鮎
- 飛騨牛
- 朴葉味噌
- 五平餅
をはじめとしたさまざまな食材・アレンジ料理が並んでいるんですよね。もちろん岐阜の名物料理がこれですべて、ということはないでしょうけれど、こちらのお店で主だったものを一通り堪能できそうです。
岐阜名物の鮎をいただく
とりわけ驚いたのが鮎でした。岐阜の「吉田川」は鮎の名産地中の名産地らしく、契約している漁師さんから直接買い付けているんだそうです。訪れた日はちょうど鮎の提供期間だったので、塩焼きを頂くことにしました。ごめん、サイズ覚えてない。
はぁぁぁぁ美味しそう。
手前の葉っぱどけた。
ホクホクっとした身、鮎独特の香りと味わい。骨も普通に食べられました。ご店主に聞いたら「鮎は頭も食べるといいよ!」とアドバイス頂いて、喜んでパクリ。郡上八幡を支えている吉田川の恵みをありがたく頂戴しました。
お酒が進む肴の数々
鮎の塩焼きの前後に、岐阜の名物料理をいろいろ注文。それぞれ単体でも美味しく、酒の肴としても楽しくなる料理ばかりでしたよ。
珍味好きとしては欠かせない うるか
「うるか」は「鮎の塩辛」です。塩味と苦みで日本酒が進む、川の幸です。きゅうりを添えられることが多いのですが、載せて食べるとマッチするんですよね。東京では、そこいらのスーパーで購入できるものでもなく、居酒屋でもおいてあるところは多くありません。見つけたら注文してしまうものなのですが、本場のうるかを食べられて幸せでした。
定食でも食べたくなった「鶏ちゃん」(けいちゃん)
鶏ちゃんは、鶏肉と野菜を郡上味噌を使って炒めたものです。鶏ちゃん 岐阜県 | うちの郷土料理:農林水産省によると1950年ごろの発祥だとか。きっと家庭でいろいろ作られていたのでしょうね。
使う野菜もそれぞれのようで、こちらのお店ではもやしを中心に作られていました。同じものは再現できないけれど、鶏肉ともやしの肉味噌炒めは自宅でもまねしようと思った逸品です。これは日本酒もいいけど、ビールやサワーが合いそうだなあ。
これ、味噌汁と小鉢とご飯をつけたら、お昼の定食でも十分やっていけるやつです。ご飯は丼飯。
飛騨牛の炙りははずせない
一口に岐阜といっても、富山に接する飛騨地方と愛知に接する美濃地方ではエリアの性格がまったく異なるのだそうです。今回僕が訪れたのは関ケ原や大垣市・岐阜市なので南よりでもある美濃地方。この飛騨牛は、北よりの飛騨地方の名産です。
うまい肉については言葉は要らないですよね……。軽く塩をつけて、ワサビをつけて、肉本来の味わいを口内全体で感じて頂きました。柔らかくて美味しかったぁ。
付け合わせのミョウガも最高です。
「郡上肉味噌奴」で郡上味噌を堪能
鶏ちゃんでも出てきた郡上味噌。味噌が名産ならそれも味わってみたいよね、と頼んだのが郡上肉味噌奴でした。豆腐は調味料の味を殺さずに楽しめるおつまみじゃないですか。味噌を味わうのに最適です。
郡上味噌は普通の味噌より柔らかくてペーストに近いんですね。どうやら作る過程でできあがる「たまり」も使っているからなのだそうです。まあまあ辛口なのですが、十分なボリュームの豆腐と、2種類のネギが味噌のコクを生かせる食材で、濃厚なコクのある味噌を爽やかにいただけました。これも日本酒が捗ります。
酢漬けじゃなかった「赤かぶ漬け」
食事の最終盤、そろそろ〆に何かほしいなと思ったところで頼んだのが赤かぶ漬けです。飛騨高山特産と書かれていて、「いやいや赤かぶの漬物に特産もなにもないでしょ」と思いながら注文しました。
思っていたより茶色い赤かぶ漬けが出てきたんですよね。食べてみるとどうも醬油っぽい。赤かぶ漬けって酢漬けのものばかり食べていた記憶があって、醬油漬けがとても新鮮な味わいでした。
日本酒も美味しいもの揃い
肴をいただきながら、もちろん日本酒も頂戴しましたよ。基本的には飛騨の12蔵の代表的な銘柄を、1合の瓶でご提供いただけるようです。
以下のような銘柄を頂きました。
この日の3品のみくらべセット(1,050円税込)は、左から初緑(純米吟醸 無濾過生原酒)、初緑(特別純米 無濾過原酒)、奥飛騨(秋あがり 純米吟醸)。うしろ2つは岐阜原産の酒米「ひだほまれ」をつかって造られました。左から香りの高いもの、キレのあるもの、辛口と飲み口を分けて下さっており、肴に応じて飲むお酒を変えるのが楽しかった~
天恩の熟成古酒は金色が美しいですね。古酒らしく、まろやかで紹興酒に近い香りがついて、鶏ちゃんのような主張のつよい肴と合わせてもヨシです。
効率良く岐阜の食を堪能するのにオススメ
JR岐阜駅から、やや北西の名鉄岐阜駅までのエリアはけっこうな繁華街で、さまざまなお店が建ち並んでいました。どこに行くか正直悩んでしまいます。
ただ、僕のような、日頃岐阜にゆかりのない旅行者が「日程の都合で多くの店は回れないけれど岐阜のいろんな食材を堪能してみたい!」と考えた時に寄るお店として、居酒屋けいさんはとても適しているお店だと思います。単に郷土料理があるだけでなく、料理自体もとても美味しいので、きっとここが生活圏の人も利用しているのでしょう。店内は結構混んでいました。
価格帯的には旅人向けな印象が若干あります。が、旅人が一通り楽しめる目的を果たすのに高すぎるという印象はありませんでしたよ。
岐阜の郷土料理、このお店で注文できていないものがたくさんあります。To Be Continued ということで、次に岐阜を訪れた際、また食べに来たいなとおもいました。
お店情報
住所 | 岐阜県岐阜市長住町2-3 |
アクセス | 名鉄岐阜駅前から徒歩1分 |
電話番号 | 058-263-7566 |
営業時間 |
月~木、祝日: 17:00~翌0:00 (料理L.O. 23:30 ドリンクL.O. 23:30) 金、土、祝前日: 17:00~翌1:00 (料理L.O. 翌1:00 ドリンクL.O. 翌1:00) 平日17:00~24:00、金・土・祝前は翌1:00迄営業 |
お問い合わせ時間 | 15:00~24:00 |
定休日 |
月(第2・第4)、日 毎週日曜日と隔週月曜日(第2・第4)、祝日がある場合は連休最終日となります。 |