見上げればスカイツリー。墨田区にきてみると、スカイツリーの存在感がよくわかる。きっと江戸時代の城下町は、お城の天守が町のシンボルだったに違いない。
東武や京成には「曳舟」を関する駅がある。そこから10分少々歩いたところにある「キラキラ橘商店街」は、東京都産業労働局主催の「第16回東京商店街グランプリ」を受賞した実績もある、古くからの活気ある商店街だ。
取材でこの商店街を訪れた際、約束時間より90分ほど早く、中食時に到着したこともあって、どこかでランチを食べてから仕事にとりかかろうと思っていた。全長500メートル弱の商店街。ゆとりを持って2往復。そこでピンときたのがこの佇まいだった。
看板には「UDON & CAFE」とあるのに、ランチはチキンの照り焼き定食だし、張り出されている写真はサンドウィッチばかり。うどんはどこ?
ランチも都会とは思えない800円という価格だし、ツッコミどころがある店もおもしろいかなと思って入ってみた。
なぜか物販もあるゆかいな店内
60~70代くらいのご夫婦が迎えてくれた店内は、もしかしてスナック営業もしてた?という感じの佇まい。
なぜか物販があるのがちょいと面白かった。キーコーヒーのインスタントコーヒーはAmazonより安かったので、帰り際に購入した。侮れない。
おかみさんから「今日のランチは鶏の照り焼きですよ」とご案内があり、それで良かったのでお願いすることに。12時より少し手前だっただろうか。調理中に次々と常連さんが入店し、ランチを注文していく。
野菜もたっぷりなヘルシーランチ
出てきたランチは「え、これで800円でいいの?」という充実した内容。
チキンに添えられた野菜は3種類、小鉢にももやしが入っていて、野菜がたっぷり摂れる。54歳にはありがたい構成だ。
味噌汁は、キャベツ・ワカメ・おあげが入っている。キャベツはしっかり煮込まれており、キャベツ特有の甘い出汁が出ていて、すすると旨い。ここも全然手抜いていない。
照り焼きチキンは食べやすいサイズにカットされた鶏肉を甘辛のとろみあるタレで焼かれたもの。中心部は鶏そのものの旨さを感じられ、外側で照り焼きの味わいを楽しめる。脂は少なめで、これも健康に良さそう。
タレは野菜サラダとの相性もよく、ご飯が快調に減っていく。「こってり」とか「がっつり」ではなくて、毎日食べたとしても飽きの来ない旨さだと思う。
お袋の味というか家庭の味というか、そんなホッとする美味しさを味わって、あっというまに食べ終わってしまった。ご飯の最後2口は柴漬けで。これもまたヨシ。
ほっとする商店街のほっとするランチを
冒頭にも書いたけれど、キラキラ橘商店街は活気ある商店街だ。この辺りは第2次世界大戦でも燃え落ちていないため、大正時代の建物が現存していたりする。昭和の香りもある反面、現代の商店街としての活気も維持している。全国の商店街の運営関係者が視察に来ることも珍しくないそうだ。
こんな懐かしい眼鏡屋さんの看板があると思えば
空き地には今風なお洒落な卓球台が鎮座していて、子供たちが卓球で遊んでいたりする。
古き良き、でも活気ある商店街で食べるコスパ最高の美味ランチ、下町の良さを堪能できたよ。